こんか漬けの語源
石川県では、魚の糠漬け(ぬかづけ)のことを【こんか漬け】又は【こぬか漬け】と呼ばれています。
古語辞典で【こぬか】と調べてみると、【こぬか】を[小糠・粉糠・糠]と漢字を当て、米の表皮の細かく砕けた粉で、洗い粉や糠味噌等に用いたと記されています。
また、本朝会鑑(江戸時代前期の元禄8年)によると、この時代においては、今でいうところの籾殻を磨糠(すりぬか)・荒糠(あらぬか)といい、現在の糠は脱穀した後の米の細粉であり、それを糠・奴加(ぬか)・古奴加(こぬか)と訓むと記されています。
以上のことから、石川県では糠漬けの糠のことを古い呼称のまま、【こぬか】あるいは【こんか】として言い伝えられてきたものと思われます。
石川県金沢市は江戸時代、加賀百万石の御膝元でした。この米に根付いた呼称も文化と言えるのではないでしょうか。
へしこの語源
金沢では魚の糠漬けを「こんかづけ」といいますが、お隣の福井では「へしこ」といいます。
これは、魚を桶・樽に塩や糠などと重石をのせて圧し込む(へしこむ)ことから、「へしこ」と呼ばれるようになったそうです
金沢産の【へしこ】は、魚・米糠・麹・唐辛子・いしると木桶に次々と圧し込んでいきます。
また、 魚を塩漬けにする際に滲み出てくる水分のことを「干潮(ひしお)」と呼んだことから、これが訛ったものであるという説もあります。